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ホーカー・シドレー ハリアー(Hawker Siddeley Harrier)は、イギリスのホーカー・シドレー社が開発した世界初の実用垂直離着陸機(STOVL機)である。原型機の初飛行は1960年。本機をベースに海軍型のシーハリアーが開発されたほか、アメリカのマクドネル・ダグラス社は、より洗練されたハリアー IIを開発した。 ハリアーの名は小型猛禽類であるチュウヒのこと。前身である実験機、ケストレルの名前は同じく小型猛禽類であるチョウゲンボウのことである。これらの鳥は、向かい風の中でホバリング(空中停止)をすることがあるため、VTOL機の名称として採用されたと考えられる。 == 歴史 == === 実験機の開発 === 第二次世界大戦後、各国は高性能のジェット機に加え、垂直離着陸機(以下、VTOL機)の開発にも着手した。VTOL機はエンジンに垂直離着陸のための機構が必要なため重量が増し、どうしても通常の戦闘機に比べ性能が劣ってしまう。しかし、垂直に離陸できるということは、仮に敵に滑走路を破壊されても運用ができるため、前線での使用が可能であるなどの利点も多いと考えられた。 1940年代-1950年代前半にかけては、機体を真上に向かせて離着陸を行うテイル・シッター方式のVTOL機開発が試みられたが、それらは実用化されなかった。そのため、1950年代後半から機体は水平のままで離着陸する方式の開発が活発となった。ヨーロッパ各国での開発が特に進んでおり、西ドイツのEWR VJ 101、VFW VAK 191Bやフランスのミラージュ III V、イギリスのP.1127、ソ連のYak-36などが開発されていたが、P.1127とYak-36だけが通常の航空機と同様にエンジンを配置して、離着陸時のみノズル(排気の吹き出し口)を動かして推力を真下方向に偏向する方式で、他の機体は離着陸時のみ下に向けて推力を出すリフトエンジンを別途搭載する方式であった。なお、バランス制御の問題からYak-36が開発中止になった後、後継機Yak-38以後ソ連もリフトエンジン方式に転換したため、推力方向変換エンジン単独によるVTOL機はハリアーシリーズのみとなっている。 リフトエンジンを使用する方式は、実質的にはエンジンを2つ積むことになり重量が増えることから、水平飛行中には無駄な重量物(デッドウェイト)にしかならず実用性が低く、それらの機種は最終的に実用化されなかった。それに対しP.1127は、画期的な推力偏向式のジェットエンジンであるペガサスエンジンによってこうした問題を起こすことなく、リフトエンジン式に比べて実用性が高いと評価されたのである。P.1127は、1960年10月に初のホバリング飛行が行われ、1961年3月に水平飛行、同年9月には転換飛行に成功した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ホーカー・シドレー ハリアー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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